セミおじさん

夕方、近所の公園を散歩すると、毎日のようにベンチに座って、焼酎のボトルを飲んでいるおじさんがいる。

俺が近づくとニコニコしながらこっちを見ている。(友達になりそうな人を探している目で)

 

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これは、目を合わせちゃヤバいやつだな、と思いながら通り過ぎていた。

 

娘がその公園の近くのコンビニでバイトをしていたことがある。

ある日娘が聞いてきた。

「鬼ごろしってお酒?」と。たぶんそうだと思うと答えた。

コンビニで売っているであろう「鬼ごろし」という酒は飲んだことがない。

たぶん日本酒だろう。(後で調べてみると、同じ商品名の日本酒がたくさんあるそうだ。)

なんで?と聞くと、毎日昼間にその鬼ごろしを買っていくおじさんがいて、そのおじさんがとてもおもしろいそうだ。

娘がコンビニのレジをしていると、

「お姉ちゃんはセミ食べたことあるか?」

といきなり聞かれた。

「セミって虫のセミですか?」

「そうだよ」

「ないです」と答えると、

「ないのか?うまいんだぞ。とくにニイニイゼミはうまい」

と。その日から、娘とは「セミおじさん」という名前でそのおじさんを呼ぶことにした。

もしかして、そのセミおじさんって、坊主?と娘に聞くと、そうだと言う。

もしかして、俺が見ている怪しい人がセミおじさんなのか?

その後判明したが、俺が公園で見ていた人がセミおじさんだった。

娘のコンビニで鬼ごろしを買った後、公園で飲んでいたのだ。

 

娘がバイトをしてたコンビニのレジには小さな手洗いの水道がある。でも水は出ない。あえて止めているのだろうか。

セミおじさんは毎日鬼ごろしを買いに来て、その水道の蛇口を必ず回して言うそうだ。

「この水道は出ないのか?」と。

「はい、出ません」と娘は答える。

次の日も鬼ごろしを買いにきて聞く。

「この水道は出ないのか?」

「はい、出ません」

これが毎日続く。

 

セミおじさん。なんか、とても興味がある。

娘の話では、とてもおもしろい人だという。

でも、きっとちょっと危険だろう。

 

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今、外で飲みながらこれを書いている。

天気が良くて、気持ちいい。レッドアイを飲んでいる。

まだ、明るい。

完全に俺もセミおじさん状態だ!

 

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